弥生賞・GU(1999年3月7日・中山・芝2000m・稍重);1番人気(1.5倍)2着
着順 枠番 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上がり 人気 厩舎 1 7 12 ナリタトップロード 牡4 55 渡辺 2.03.5 − 35.3 2 沖 2 4 6 アドマイヤベガ 牡4 55 武 豊 2.03.7 1 35.0 1 橋田 3 8 14 マイネルシアター 牡4 55 蛯名 2.04.0 1+3/4 35.6 4 柴崎 4 3 4 アストラルブレイズ 牡4 55 菅谷 2.04.2 1+1/4 37.0 11 菅谷 5 1 1 ブルーコマンダー 牡4 55 吉田 2.04.3 1/2 36.1 7 伊藤修 6 5 8 トウカイダンディー 牡4 55 後藤 2.04.5 1+1/2 36.6 3 後藤 7 2 3 ドラゴンブライアン 牡4 55 菊沢徳 2.04.5 クビ 36.6 6 中尾謙 8 5 9 タイキヘラクレス 牡4 55 岡部 2.04.6 1/2 35.7 5 蛯名 9 3 5 トシザブイ 牡4 55 柴田善 2.04.8 1+1/4 36.5 13 音無 10 2 2 リザルトシチー 牡4 55 郷原 2.04.9 1/2 36.3 10 堀井 11 4 7 サウンドオブアース 牡4 55 S.サンダース 2.05.2 2 37.5 8 佐々木昌 12 6 11 イカルスドリーム 牡4 55 横山賀 2.05.3 1/2 36.9 9 奥平 13 8 15 マイネルミサイル 牡4 55 坂井 2.05.3 クビ 36.8 14 保田 14 7 13 フライングキッド 牡4 55 江田照 2.05.4 クビ 37.4 12 鈴木康 15 6 10 ゴーアップアビド 牡4 55 吉永 2.07.0 10 39.6 15 元石
単勝 | 12 | 400円 |
複勝 | 12 | 130円 |
6 | 100円 | |
14 | 230円 | |
枠連 | 4-7 | 280円 |
馬連 | 6-12 | 290円 |
初の関東遠征のせいか、少しイレ込み気味のアドマイヤベガ。折り合いもつかず最後方と極端の競馬を
強いられた。早め先頭に抜け出したナリタトップロードに対し、大外から懸命に追い上げるも1馬身届かず2着。
しかし、次元の違いを感じさせる末脚は評価を落とすどころか、ますます期待が膨らんできた。
●週刊Gallop ドキュメントより
ベガ「いい経験」
単勝1.5倍が負けた。ファンから絶大なる信頼を集めたアドマイヤベガが、きさらぎ賞勝ち馬に敗れた。
「道悪は気にしなかったけど、中途半端な枠順だったので行くか下げるかしかなかった」。雨の中山。
馬場の悪い内側には入れたくない。「初めて」(ユタカ)引っ掛かったベガに、手綱を抑えて後方待機策を
取るしかなかった。「向こう正面からは折り合ったので”イケる”と思ったんだけど」。メンバー最速の上がり
35秒0の末脚を繰り出したが、脚色の鈍らないナリタトップロードを捕らえ切れなかった。
「ひとつの経験になったと思います。環境の変化に、思ったより目方が増えていませんでしたが、1度
経験すれば覚えていく馬ですから。上積みは見込めるでしょう」。悔しさを隠して、橋田調教師が淡々と
本番での巻き返しを誓う。ユタカも「苦しい競馬になったけど、走ることを再認識しました。次で巻き返したい
ですね」。後方からの競馬を強いられた時点でユタカはトライアル戦を「脚を測る」という文字どおりの”試走”に
変えたはず。「勝った馬は強いですよ」とトップロードを持ち上げるが…。天才の頭脳には今回の敗戦で、
皐月賞の優勝シミュレーションがインプットされたに違いない。
●週刊Gallop '99ダービー馬を探せ!より
2冠息子 ベガの季節へ
2着はリハーサル!?
弥生賞は上位2頭の力が抜けており、3着以下とはやや力の開きを感じさせた。勝負どころから勝ちに行く
競馬できっちりと結果を出したナリタトップロード(栗東・沖厩舎、牡、父サッカーボーイ、母フローラルマジック)。
勝負どころでやや置かれ気味となり、直線で外を回って一気に伸びたアドマイヤベガ (栗東・橋田厩舎、牡、
父サンデーサイレンス、母ベガ)。2頭とも中身の濃い競馬だった。
レース後、某ベテラン騎手は、「ユタカにうまくリハーサルされた。でも、あの位置からあれだけ外を回って
追い込むのだから大したもの」とアドマイヤベガに高い評価を与えていた。関西でも河内騎手が「2頭は強いな。
勝った馬も強いし、ユタカの馬も負けて強しという感じやった」と警戒している。勝ったナリタトップロードも
そうだが、猛然と追い込んできたアドマイヤベガの強さが目立った。
沖さんの馬、強いねえ
レース前にアドマイヤベガについて少し気になったことがあった。パドックでは落ち着いて周回していたが、
馬場入場の際にはかなりテンションが上がっていた。それが影響してか、スタート直後はいつもより行きたがる
素ぶりを見せていた。1度使ったことで、皐月賞ではちゃんと変わってくるのか。栗東トレセンで椅田調教師に
聞いてみた。「装鞍所、パドックではおとなしかったのにねぇ。やっぱり休み明けで間隔が開いていたから。
だから中山を見せておいたのは良かったと思う。賢い馬ですから、教えたことは、すぐに覚えてくれます」。
デビュー以来、初めて他馬に先着を許したが、橋田調教師に悲観した様子はない。むしろ収穫の多かった
レースといえそうだ。「沖さんのところの馬も強いねえ」とライバルの強さが分かったのも、巻き返しに向けて
プラスになりそうだ。「みんなが順調でいい状態でいけたらいいんですけど。そうしないと競馬が盛り上がら
ないでしょう」と話すのも橋田調教師らしい。