阪神大賞典・GU(1999年3月21日・阪神・芝3000m・重);2番人気(2.1倍)1着

着順 枠番 馬番 馬名 性齢 斤量 騎手 タイム 着差 上がり 人気 厩舎
スペシャルウィーク 牡5 58 武 豊 3.13.4 37.5 白井
メジロブライト 牡6 59 河内 3.13.5 3/4 37.5 浅見
スエヒロコマンダー 牡5 56 四位 3.14.7 7 38.4 松元茂
シルクジャスティス 牡6 59 藤田 3.15.1 2+1/2 38.7 大久保正
タマモイナズマ 牡6 57 小原 3.16.4 8 40.2 伊原
スターレセプション 騙8 57 安田康 3.16.7 1+3/4 40.1 松田博
トピカルコレクター 牡7 57 松永幹 3.18.5 大差 41.7 大久保洋
マチカネサンシロー 牡5 56 安藤勝 3.22.5 大差 44.1 浅見
マジックシンガー 牡7 57 熊沢 3.41.8 大差 53.7
単勝 5 210円
複勝 5 100円
8 100円
1 250円
枠連 5-8 150円
馬連 5-8 150円

 

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天皇賞・春の連覇を目論むメジロブライトと初対決。長距離戦&重馬場でメジロブライト有利と見なされ
単勝は2番人気だった。好位追走から残り800m地点でスペシャルウィークが動き出し、メジロブライトは
直後をピッタリマーク。他馬はついてこれず、レースは予想通り2頭のマッチレース。しかし、ゴールまで
2頭の差は全く変わらずメジロブライトに引導を渡した。3着以下の着差をみると、上位2頭の力量がいかに
抜けているかがわかる。

観戦記はこちら


 ●週刊Gallop レース速報より
 道悪はウィーク・ポイントじゃない〜盾獲りへ消えて行く死角
 グラスワンダーにエルコンドルパサー。同世代の”天敵”が不在の春。初めての道悪もスペシャルウィーク
は楽にクリアした。淀の2マイルヘ 「死角」なし。セイウンスカイが有馬記念の敗戦でカリスマ性を失って
しまっただけに、東京優駿が日本最高峰の頂上アタックの先頭に立ったことが共通認識となったようだ。
天皇賞の単勝1番人気を決定付けた快勝。道悪がプラスにこそなれ、マイナスではないメジロプライトとの
差を最後の300m、同じままでフィニッシュできた。このレースの勝利を芝3200mのGTに直接つなげた馬は
平成に3年メジロマッククイーン、9年マヤノトップガン、10年メジロプライトがいる。勝ちタイム3分13秒4。
このまま天皇賞の時計になるとスーパーレコードだが、芝3000mのタイムとしては平成では4年の
メジロマックイーンの3分13秒5に次ぐ低速。まっ、時計うんぬんの天気じゃないね。

●週刊Gallop ドキュメントより
 軍配はダービー馬!! スペシャルな乗り心地…さあ天皇賞だ
 戦いを終えた検量室は異様に静寂を保っていた。
 勝負ごとに絶対はないと言われるが、今回に限ってみればフィナーレのシーンは、かなりの確率で予測
できたかもしれない。馬連150円で収まったスペシャルウィークとメジロブライトのマッチレース。強者が力を
出し切った一戦に説明は何もいらない。スペシャルのユタカが笑い、メジロの河内が肩を落とす。唯一の
起伏はそれだけだった。
 「3000mでメジロブライトに勝った。この事実は大きな自信になりましたよ。確かに道悪で1キロ軽かった
ことは有利でしたが、それを除いても、1着になったことは価値がある。天皇賞に向けて、大きな弾みに
なりましたね。僕自身も期待が大きいだけに、こういった勝ち方をしてくれたのは実に嬉しい」
 メジロマックイーン(平成3、4年)、ナリタブライアン(同8年)に次いで4回目の阪神大賞典制覇を飾った
武豊がこの上ない笑顔を見せる。周囲を説得するようなロぶりだ。これは過去の名ドラマのあとに語った
ものより、明らかに熱っぽかった。菊花賞2着以来、3戦ぶりのコンビ復活。明らかに成長のあとが感じとれた
こともあり、天才も興奮を隠すことができなかった。
 「まずは自然な形で前々の競馬ができたことですかね。いくら前に行ってほしい、と言われても馬の
気分を損ねては意味がない。きょうのようにスペシャルウィーク自身が行く気を見せてくれることが肝心
なんです」
 4歳時は強烈な差し脚で名を馳せた馬が、この日は序盤から3番手のポジション。道悪を気にすることも
なくスイスイと流れに乗っていく。そして、何と3コーナー過ぎでタマモイナズマをかわして先頭に躍り出る
勢いだ。「押し出される形で、ごく自然とね」とユタカでさえ驚くほどの行きっぷりだった。
 この時、当然、ユタカは当面のライバル・プライトの動向を気にする。チラッと股間から左後方を確かめて、
間隔を見極めた上でのゴーサイン。グーツと差が詰まり、一騎打ちムードになることを歓迎したかのよう
でもあった。その後は予想通りのマッチレース。先に出たユタカを兄デシの河内が追いかける展開。ラスト
1ハロン標で3/4馬身ほどの差になったものの、ゴールまでその差は変わることがなかった。「さすがに
最後は一杯でしたよ」とユタカは言うが、昨春の天皇賞馬をあっさり振り切ったこともあり満足げな表情だ。
この勝利で「1回阪神開催」の通算も20勝となり、自身が持つ”1開催最多勝”タイ記録に並ぶ快挙。
嬉しさ倍増の1勝でもあった。
 武豊がひとしきり喜びを語ったあと、今度は白井寿昭調教師にバトンタッチ。こちらも自らパチパチと拍手
をするほどで、喜びを隠せない。「あんないい位置で競馬ができたら安心して見ていられるよ。最後は
差されたら仕方ないぐらいの気持ちになっていた。今年に入っていい具合にAJCC、ここと連勝できたし、
願ってもない形で天皇賞に行ける。馬の方もトモに筋肉がついてきてパワーアップしているし、恐ろしい
ほど順調だね
」。平成に入ってから阪神大賞典馬の春の天皇賞勝率は4割。また、ここ2年に限っては
マヤノトップガン、メジロブライトと連勝中でゲンのいいデータもたくさんある。5歳になって心身ともに逞しく
なったスペシャルウィーク。まずは”西のチャンプの座”奪取に成功した。今後は今週の日経賞で始動する
同期のライバル・セイウンスカイの走りを確かめた上で、改めて盾獲りへの秘策を練る。

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